プロフィール

小勝敏克氏

株式会社丸玉屋 代表取締役社長

1990年に株式会社丸玉屋を設立。 従来の花火の枠を越えたエインターテイメントとしての花火のプロデュースと演出を手がける。 国内のテーマパークをはじめインターナショナルに活躍する仕事人。

逗子で花火大会をやる事について

小勝社長:

去年から逗子の花火をやらしていただいておりますが、 去年は急遽決まったので準備期間が短かったんですね。 でも最後フィナーレの10分間は玉数も5500発と多く、 花火と音楽がコラボし、凄い花火だったと思います。今年も同じ数、上げますよ。

今年のタイトルは『逗子海岸が日本最大の野外劇場に変わるとき partII』です。

ハーフマイルビーチと呼ばれる800mの浜にスピーカーを置き, 台船を浮かべてそれを打ち上げ会場とします。 海岸からご覧になるお客様に海が花火のステージで、 夜空全体を舞台としたショーを楽しんでもらう…というシチュエーションなのです。

逗子海岸は半円形の湾になっていますので、言ってみれば天然の半円形劇場です。 開放感もありますし、我々にしてみれば、良い地の利を得たと、そんなことを思っております。

デジハリ:

では逗子オリジナルの花火になると…

小勝社長:

同じ30分の花火でも開催地が違えば地形が違いますから、それぞれの土地の特色を考慮し、それに合わせて企画していく必要があります。花火で地域色を出していきたいですね。それはレイアウトで出せると考えています。また音楽やナレーションなどでも地域色は出せますね。

最初に逗子海岸をロケハンした際にひらめいたのは、ハーフウエイマイルドライブと呼ばれる全長800mに及ぶ逗子海岸全体を屋外劇場に出来ると思ったことです。

海岸全域にスピーカーを設置し、沖合いの海に台船を3台広い範囲に設置することにより「日本最大の屋外花火劇場」を創り出せる。壮大な交響曲にシンクロした日本最大級の花火が圧倒的な迫力で観客をフィナーレへと導くシーンが目の前に浮かんだのです。

花火を当日上げるまでの手順は?

小勝社長:

今はコンピューターでプログラムを作っています。

今は1/30秒まで設定できるので、プログラムして音楽をウェイブファイルや楽譜に全部おとして、 音楽をメロディやリズムなどいろいろな角度から分析し花火のアイテムを当てはめていくのです。 そこでどういう風に花火を上げるかが決まる訳です。

プログラムをハードディスクに落とし込み、当日現場に持っていきます。 コンピューターはモジュールで花火の筒につながっているので、 コンピューターからの信号で点火されます。

それでいろいろに組合わさった花火が生まれるのですね。

でも、まず第一に考えるのは安全面です。安全が確保されて初めて演出の話ができるのです。 立ち入り禁止区域は条例によって決められているんですよ。

花火の積み込み
デジハリ:

花火のための条例ですか?

小勝社長:

そうです。ただそれは目安であって風向きによってはそれでも足りないときもあります。

そこでわれわれは自主保安対策を行っています。 ISO9001(JISQ2001(リスクマネージメントシステム)を取り入れたシステム)を 取得してリスク管理を徹底して行っています。

リスクを回避したうえで演出を考え、それで最大の効果を考えます。 まずは『安全ありき』です。

昨年と比較して今年のプログラムの見所は?

小勝社長:

音楽のプレゼンが終わったところなので、 まだ具体的な作成には入っていませんが、昨年と大きな違いがあります。

昨年は選曲のほとんどがワルツも入れたクラシックでしたが、 今年はジャズや映画音楽を取り入れ、というのは逗子のお客様はファミリーの方が多いので、 みなさんが耳に馴染んでいるような音楽、耳に心地よく感じてもらえる音楽を選びました。

さらに流れの途中でメッセージ花火というのも入れます。 メッセージ花火は昨年以上に手前で大きなものを使うよう、考えています。

途中のBGMでハワイアンが流れたり、 逗子が伝えたいことが伝わるように(逗子は商店街でハワイアンイベント実施中)考えています。

10分間のフィナーレに向けて充分にショーを楽しんでもらえるような構成にしようと思っています。 フィナーレの規模は昨年と同じレベルで考えています。

デジハリ:

メッセージ花火とは?

小勝社長:

例えばおめでたい気持ちを表現するために花火をあげ、 MCさんがそれを語るというタイプのものです。

自分が打ち上げる場合も、人のために上げる場合もありますね。揚げてもらうと嬉しいですよね?

デジハリ:

それは嬉しいでしょうね。でも花火は高いと聞いていますが。

小勝社長:

そんなことないですよ。だって、1発の花火で何万人もの人が楽しめるのですよ。一人頭で計算してみてください。いっぺんにこれだけ多くの人に楽しんでもらえるイベントはあまりないですよね?

デジハリ:

その通りですね。

小勝社長:

花火は元々エインターテイメントなので、難しいことを表現するのは得意分野ではないのですが、イメージとかパッションだとか、そのときの心の動きのようなものを表現できるのです。楽しみにしていてください。


編集後記

小勝社長が語る花火は今まで私たちが知っている花火の枠を大幅に越えていました。今年の花火も昨年以上に素晴らしいものになると実感させられるお話でした。

 

最後の素朴な疑問をぶつけました:
"花火師の方は冬は何をしているのでしょうか?"
小勝社長"普通の花火屋さんは冬場に花火をつくっています。 われわれは年がら年中仕事していますよ。カウントダウンやゴールデンウイーク、クリスマスなどイベントで。"

 

手持ちの花火は打ち上げると華の直径が240mにもなる。